ストイックなドリンカーの日々 ~Drinker's Diary~

グレンフィディック 25年 オフィシャル 蒸溜所限定 #8389

グレンフィディック GLENFIDDICH 25yo Official Bottling Exclusive Distillery Limited #8389 60.9%

グレンフィディック 25年 オフィシャル 蒸溜所限定 #8389 60.9%

GLENFIDDICH 25yo Official Bottling Exclusive Distillery Limited #8389 60.9%

 

香りは芳醇な王道のシェリー感、露骨でない黒ブドウ果汁と甘やかな黒みつ、湿ったレザーや土が香るウェアハウス、少しアンティーク家具。味わいは力強く極めて芳醇、皮ごと噛んだブドウのジューシーな甘みと引き締める渋味、高級なチョコレートや黒糖、余韻は上品だが非常に長く心地よい陶酔感もある。適度な加水でさらにジューシーで複雑な往年のシェリー感に。

 

【Excellent, Interesting】

 

グレンフィディックの蒸留所限定ハンドフィル、25年熟成のシングルカスク#8389

このボトルのことを人づてに聞いたときにはあまりピンときませんでした。

そもそもフィディックのオフィシャルシングルカスクって、これだけ長期にわたってたくさん飲んでいても蒸留所のあまり印象に残らないハンドボトリング以外に思い浮かびません。バルヴェニーとは異なり、シェリーカスクの印象もあまりない蒸留所です。

 

高額なボトルですが、有楽町で飲んで驚き、どうしてもじっくりお付き合いしたくなり、決して安いボトルではありませんが購入してしまいました。

そして息子の誕生日にかこつけて誕生日前に開栓して、もう一杯もう一杯と飲み、誕生日にはだいぶ減っていたのでした。笑

とにかくニューリリースでこんな気持ちになったのは久しぶりです。

 

ブラインドで飲んだら困惑すると思います。

近年のシェリー感とオールドのシェリー感が混在するような不思議なニュアンスだからです。

このくらい突き抜けたシェリーカスクは珍しいのですが、マッカランやドロナックのレジェンダリーなボトルにはない何とも言えない野暮ったさや黒糖っぽさを重めに捉え、悩んだ末に、めちゃくちゃ状態の良い昔のオフィシャルのファークラスと答えるのではないかと思います。加水して出されたらほぼ間違いなくそう答えるでしょう。

 

黒糖系の甘みにブドウ系の果汁感を伴うフルーツ感、高級ビターチョコレートのような渋味が伴い、なめし皮やウェアハウスのようなニュアンスもあり、近年のボトルには無いような陶酔感がありました。

現時点でも素晴らしいですが、さらに熟成が進み腐葉土のようなニュアンスが強まると、さらに突き抜けた美味しさになるのではないかと思いますし、ほぼ確信に近い良い予感があります。

仕上がった状態で飲んだレジェンダリーなボトルと比べると見劣りするところもありますが、現行でこれにExcellentをつけないと、もうEを付けるボトルはなさそうです。それも踏まえて今回はEとしました。あと20年後に飲んだら、文句なしのEになると思います。


フィディックがどんなコンセプトでこんな樽を仕込んだのか気になって仕方がないのですが、いずれにしてもこんなのがあるならもっと出してほしいです。。。