ストイックなドリンカーの日々 ~Drinker's Diary~

キルホーマン 2006-2024 18年 オフィシャル パブリックバー アイランズ20周年記念 #2006/101 48.9%

キルホーマン 2006-2024 18年 オフィシャル パブリックバー アイランズ20周年記念 #2006/101 48.9%

KILCHOMAN 2006-2024 18yo Official Bottling for PUBLIC BAR ISLANDS 20TH ANNIVERSARY #2006/101 48.9%

Refill Bourbon Cask

 

香りも味わいも穏やかで優しい熟成感あり、シトラスとこなれたピート、軽くクレゾールや金属感、心地よいミネラル、海のニュアンスと海藻、優しい麦芽の旨味、藁を燻ったようなスモーク。

【Very Good】


パブリックバー アイランズさんが20周年記念でボトリングしたキルホーマン最長となる18年熟成です。

店主の安藤さんとは面識があり、アイラを心から愛する素敵な方です。


自然な熟成感が私にとって何より魅力的で、味付け感がなく、香りやテクスチャーにおける刺々しさは消失していました。

若いキルホーマンには根菜っぽいニュアンスを感じることが多く、熟成後は同様のニュアンスのあるラガヴーリンと似た姿も想定していたのですが、カスクストレングスでも重さがなく、少なくともこの樽に関しては別の方向性でした。


以前にお話しした際、蒸留所創業当初に購入されたとおっしゃっていた樽だと思いますが、実は、こういう先物買いみたいな形で買った樽には楽しさと夢はありますが、経験的には実際飲んでおいしいと思う確率は低いです。

多くの仕上がった樽からサンプリングしたほうが、圧倒的に美味しいものを選べるからです。

蒸留所としては、あんまりな樽はシングルカスクではなくブレンドして使うことができますが、個人所有の樽だとそうもいきません。

少年野球からスカウトするのと社会人野球からスカウトするような違いです。前者にも成長をみるという楽しさや夢はありますけど、確実性に劣るのは言うまでもありません。

そして、この手の夢が詰まった樽のモルトは好みでないとは言いづらく、このようにご紹介することもあまりありません。

 

しかし、この樽は好みでした。

あまり味付け感のないリフィルのバーボン樽だったので、ナチュラルな熟成感が出たのだと思います。これが仕上がりの早いごりごりのファーストフィルのバーボンバレルだったら、おそらく長年待って熟成させてもウッディネスが前面に出てくるだけで過熟ともいえるタイプになっていたのではないかと思います。

 

安藤さん、20周年おめでとうございます。

ボトルも購入しましたので、家で飲むのも楽しみにしております。