ABERFELDY 2001-2023 22yo Official Bottling “EXCEPTIONAL CASK” Distillery Visitor Centre 25year Anniversary #58 53.1%
香りは多彩、アプリコットやベリーのジャム、強く蜂蜜、アップルパイ、バニラ風味のクレームブリュレ、キャラメリゼしたナッツ、非常にリッチ。味わいは芳醇で粘性のあるテクスチャー、香り同様に多彩な加熱フルーツと淡いスパイス、蜂蜜のコクが深く麦芽の旨味も奥から染み出してくる。熟成感に加えてボディもあり、複雑で少しオイリーな余韻は長い。
【Very Good】
アバフェルディ蒸留所にあるビジターセンターの25周年を記念してボトリングされたシングルカスクで、当然ながらオフィシャルボトルです。
2001年蒸留で2017年からオロロソシェリー樽で約6年と長く後熟されており、ダブルカスクとも銘打たれています。
自然な熟成感と後熟で使用したシェリー樽の良い個性が十分に感じられるのに全く支配的ではありません。
アバフェルディらしい蜂蜜のコクを強く感じる原酒の個性も強く、樽感とまさにがっぷり四つという感じでハイレベルで共存しているのが素晴らしいです。
これだけの熟成感と樽感があるのにブラインドでアバフェルディと当てられるかもしれない個性があるのがシングルモルトファンの心に刺さります。
樽感と熟成感、そして原酒の個性がそれぞれ強いので、簡単に拾える要素も多くテイスティングが楽しいのも好印象でした。
度数もちょうど良く下がっており、こなれ感とボディが同居しているのでストレートでも飲み心地が良かったです。
面白さも美味しさもあるのに飲み飽きもせず、自宅で早々に1本空いてしまい2本目に突入しております。
なお、蒸留所の記念ボトルでシングルカスクですから残念ながら日本で売られているボトルではありませんが、ちょっと前に見た時には海外のサイトでまだ売っておりました。
美味しさがわからない未熟なボトルが一瞬で売り切れる一方で、こんなにシングルモルトの魅力に溢れた蒸留所の本気を感じる特別なボトルが、今の市場感ではスペックのわりに高くない価格で売っているのに、じっくり飲んでから追加購入もできるということが不思議でもありました。
もう私がシングルモルトに求める魅力は、現状の一般的な魅力と解離しているのかもしれません。