人が一生懸命作ったものにおこがましくも点数をつけるうえで、私の中で決めていたのが先入観のないブラインドでの評価を大事にすること、そして何よりも標準点をきっちり意識することでした。
モーレンジオリジナルが84点、アードベッグTENが83点、どちらもシングルモルトらしい個性があり、当時も今も変わらず好きなウイスキーです。
Excelで全ての点数を記録に残し、その点数の妥当性をじっくり審議してから点数を最終決定するということを繰り返してきたつもりでした。
にもかかわらず、シングルモルトの高騰やブームによる入手困難によって突き抜けた魅力を持つサンプルが出てこなくなり、かといって美味しくないわけではないので低い点数もつけづらく、ゆっくりと感覚が麻痺していったようです。。。
気づけば80点台後半に点数が集中してしまっており、全然面白くない。
そして、そのどれもモーレンジやアードベッグのスタンダードと比べて確実に美味しいかと言われればそれは否でした。
プロのテイスターとして、理系の人間として、点数の標準化ができていないことを恥じました。
そこで48号からは改めて創刊号の時に定めた標準点を強く意識して点数をつけています。
特に48号は私には美味しくも面白くもないサンプルが多く、かなり低い点数も出してしまいましたがじっくり飲んでの評価ですしそこに後悔はありません。
ちょっとブームに水を差す存在でもありますのでいつまでご依頼いただけるかわかりませんが、ガロアが100号までいってもブレないくらいの強い決意で臨もうと思います。
ブログ移転の勢いで書いた記事でしたが、ここまでを前編とします。
後編もガロアの話が続きます。